近畿大学を退職しました

2019年3月で近畿大学を退職しました。
先日の行動経済学会で「今どういう状態なのか?」という問い合わせを山ほど受けたのと(ありがとうございます)、友人や共著者に「山根はいま何をしているのか」という問い合わせが殺到している現状を鑑み、自分できちんと発信しておこうと思ってこれを書いています。
問い合わせを受けまくった友人・共著者たち、お手数をおかけしました…。今後はこのURLをそっと差し出してください。

 

読むのがだるい人向けQ&A

Q. 今どういう状態なの?

A. フリーランスの研究者をしています。複数の民間企業と業務委託契約を結び、コンサルやデータ分析などをして面白いデータと日々触れ合っています。近々法人化の予定です。

 

Q. 研究者をやめたの?

A. やめてません。むしろ研究者に戻るために大学をやめました。

 

Q. なぜ近大をやめたの?

A. いやになったから

 

Q. 日々どう?

A. 最高

 

 

誰なのか

山根承子です。行動経済学を専門にしている研究者です。

あ、行動経済学会理事です。

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行動経済学入門

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前職は何をしていたのか

近畿大学経済学部准教授をしていました。7年いました。
担当経験のある科目は統計学、経済数学、数理経済学、日本概論、健康経済学、基礎経済心理学、演習(ゼミ)、経済心理学(大学院科目)です。
近畿大学経済学部には行動経済学経済心理学を学べる「経済心理学コース」というものがあり、そのコース担当教員として所属していました。指導した学生は行動経済学会で研究発表して受賞したり、行動経済学会の論文コンテストで優秀賞を取ったりしていました。自慢ですがゼミ運営はめちゃくちゃ得意です。

 

 

なぜ辞めたのか

理由は複合的ですが

  • 毎年同じ授業を繰り返していて、自分のスキルが何も蓄積されていないことに危機感を感じた
  • 教育は得意だが、一番のやりたいことではないと気付いた
  • 大学の方針に納得いかない面が多い
  • 研究者としてのキャリアを邪魔されたと感じる出来事があった
  • ゴネ得社会すぎる
  • 事件が起きたときの処理の仕方がヤバく、いつか巻き込まれたら死ぬと思った

です。詳細を聞きたい人はぜひ飲みに誘ってください。
よく聞かれる「大学を移ればよかったのでは?」ですが、絶え間なき熱心な情報収集の結果「私大はだいたいどこも同じ状況」という絶望に至っていました。雑務の量もそうですが、根底には上述した「繰り返し授業への絶望」があり、大学院に進学する学生がほぼいないことに起因するむなしさがあります。
というのがネガティブな理由で、ポジティブな理由としてはもともと民間でデータ分析をしてみたいと思っていたからです。
そんなわけで、よい機会なので大学を離れてみることにしました!

 


現在は何をしているのか

フリーランス状態で、ありがたいことにいくつかの大学や民間企業からお仕事をいただいており、色々とやってます。
具体的には現在(11月中旬)、IT系3社、コンサル1社、大学2つと一緒にお仕事をしています。まだ確定はしていませんが具体的なお話が他にもあり、さらに増えそうな気配です。
業務の内容はデータ分析、行動経済コンサル、セミナー講師という感じです。
退職後しばらくはだらだらしよ~と思ってハローワークに通うなどしていたのですが(経済学者の鑑)、いつの間にか割と忙しくなってました。ふしぎですね。
ありがたすぎることなんですが、これらの仕事は自分で営業して取ってきたわけではなく、先方からお誘いいただいたものばかりです。なので「仕事の取ってき方」は聞かれてもわかりません。とりあえず人脈は宝なのと、それなりに暇そうにしていることは結構重要かなって思います。
現在触れているデータはどれも、大学にいたら絶対に触れなかっただろうなというものばかりで非常に楽しい日々を送っています。新しいことを勉強する時間があるのも嬉しい。さらに今扱っている民間のデータは、どれも論文化を歓迎されています。
そして現在のところ、月収は大学時代よりかなり増えました。具体的には3倍近くになりました。これがいつまで続くのかわからないというのが業務委託のデメリットですが。
裁量労働に慣れた研究者の皆様は、「民間楽しそうだけど、週5で8時間オフィスに行くのは無理……」って思いますよね? 私の現状は裁量労働orリモートワークですので、大学に勤めていた頃よりも外出頻度は下がりました。
科研費を利用できるように大阪大学の招へい研究員にしてもらっているので、学会などでは所属がそのようになっていますが阪大とは雇用関係にありません。
あ、住まいは東京に移したのですが、今年度は毎週金曜日に近畿大学で非常勤をしていますので大阪にはよくいます。東京は外食が高いね。

 


今後どうするのか

「やりたくないことはやらない」をモットーにしつつ、基本スタンスは(名前の通り)「承り」でいきたいと思っています。お仕事募集中なので、よさそうなお話があれば是非お声がけください。
よく聞かれる「大学に戻らないの?」ですが、フリーな生活が想像以上に楽しいのでしばらくは考えておりません。でも飽きたら戻るかもしれません。わかりません。
大学教員の業務が多すぎ・給料が安すぎなのにも関わらず現状で耐えている人が多いのは「大学以外では研究できない」と思い込んでいるからだと思います。そうではないことを証明したいと思ってはいますが、社会の利益を考えられる性格ではないので、参考になるなら勝手に参考にしてくれという感じです。
来年法人化する予定なので、どうぞ引き続き応援してください。社訓は「不労所得」の予定です。

 


FAQ

雇ってもらおうかな

→まずはその大学を辞めたまえ。話はそれからだ。

 

雇ってください

→ちょっとまってね

 

やってほしい仕事がある

→やります!ご連絡ください。

 

一緒に仕事しましょう

→やります!ご連絡ください。

 

戻ってきてください

→それはない

 


退職エントリの作法に則り、ほしいものリストを掲げておきます。
趣味のものしか入れてないんですがこんなのでいいのだろうか……
https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/303XWAMHA1880?ref_=wl_share